台湾進出を考えるとき、「日本製品は品質が高いから受け入れられるはず」と考える方は多いと思います。でも実際に台湾企業を訪問してみると、そう単純ではないと気づかされます。先日、日本の家具メーカーと一緒に台湾企業を回った経験から感じたことをお伝えします。
「日本製品」への印象と、売れるかどうかは別の話
台湾の企業の方々に話を聞くと、「日本製品と聞いて悪い印象は持たない」とのことでした。
ただ、「だから買うか」というと、それは別問題だそうです。日本から輸入する時点でどうしても価格は上がります。それに加えて、生活習慣や住環境の違いも大きい。木造住宅が多い日本と、コンクリート・鉄筋の建物が中心の台湾では、家具に求めるものが変わってきます。温度・湿度の環境差も無視できません。
日本でよく売れている商品が、台湾でも同じように売れるとは限らないのです。
色・質感・スタイルの”ズレ”を侮らない
家具だけでなく、他の業態でも同じことが起きています。日本で売れている色や質感と、台湾で好まれるものは違います。日本のベストセラー商品が台湾でも売れるかというと、そうではないケースが多い。逆に、日本ではあまり売れていないものが台湾でヒットする可能性もあります。
「日本製品」というアピールは、プラスのポイントにはなり得ます。しかし、購入の決め手にはならない——これが現実だという印象です。
例外もある:家電は日本ブランドへの信頼が根強い
ただし、例外はあります。クーラーや洗濯機といった家電製品については、台湾でも日本製が選ばれることは珍しくありません。
毎日使うものだからこそ、安心感・信頼感が大きく影響するのだと思います。パナソニックや日立といったブランドは、台湾でも一般的に知られているほど認知度があります。そこまでの知名度があれば、「日本製だから」という理由で選ばれることはありえます。
一方で、台湾でほぼ無名のブランドが「日本製だから」という理由だけで売れることは、現実的には難しいと感じています。
台湾市場で問うべきは「台湾の人の生活に合っているか」
では、何をアピールすればいいのか。家具を例にすると、ヒノキの香りといった感性的な価値も一つですが、それ以上に「湿気に強い」「カビにくい」といった機能性・実用性のメリットが台湾の生活環境にどれだけ合っているかが重要だという印象を受けます。
台湾では、まず実用性があること、そこに美観が加わるとプラスアルファ——そういう優先順位が一般的ではないかと感じます。
「日本製品である」はプラスアルファ程度に考えて、それよりも「その商品がユーザーの生活にどんなメリットをもたらすか」をしっかり訴求できるかどうかが、台湾市場では鍵になります。
まとめ
日本製品への信頼感は、台湾でも確かに存在します。ただし、それだけで売れるわけではありません。住環境・気候・好みの違いを理解したうえで、「この商品が台湾の生活にどう役立つか」を伝えられるかどうかが、成否を分けると感じています。台湾進出を検討している方は、まず市場のリサーチから始めることをおすすめします。台湾ビジネスについてお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。
