台湾でビジネスを始める前に知っておきたかった、日本との根本的な違い

台湾ビジネスのヒント

台湾でビジネスを始める前に「もっと早く知りたかった」と感じるポイントは何でしょうか?
実際にお客様の声を聞いていると、日本のやり方をそのまま持ち込んでしまったことで、思わぬトラブルに発展するケースが少なくありません。
この記事では、台湾の労務・契約・商習慣における「日本との違い」を、実体験をもとにお伝えします。

社員との関係性──「サービス残業」が通じない現場

台湾では、給与水準と仕事へのモチベーションが直結している傾向があります。
給料がしっかり出る会社であれば頑張ろうという気持ちになりますが、そうでなければ、残業や追加の負担を自発的に引き受けるという感覚は薄い印象です。

日本では「このくらいのサービス残業は当たり前」という感覚があると思いますが、台湾のスタッフにそれを求めると、思わぬところから問題に発展することがあります。

実際に勤めていた会社での出来事ですが、土日に出勤した分を「平日のどこかで代休を取ってよい」という制度がありました。
私自身は「連休にして旅行に行けばいいじゃないか」と思っていたのですが、台湾のスタッフは違いました。
「休日出勤なのだから、割増賃金で支払うべきだ」「何らかの保証を設けるべきだ」と会社に提案したのです。
会社側がそれを受け入れられなかった結果、退職時に訴訟へと発展しました。

また別の場面では、スタッフが就業時間ギリギリに出社し、朝食を食べながら仕事の準備をしているという状況がありました。
経営陣が「その時間は働いていないのでは」と指摘したところ、スタッフから「では、遅くまで残っている日の残業代を出してください」と返ってきて、揉める結果になりました。

日本人であれば「それくらいは…」と受け流すようなことでも、台湾のスタッフはきちんと主張します。
これは悪いことではありませんが、知らずに入ると驚くことになります。

契約の感覚──「契約したから安心」ではない

日本の企業間契約は、時間をかけて信頼を積み上げ、その結果として契約に至るというプロセスが多いと思います。
一方、台湾の場合は契約自体は比較的スムーズで、紙1枚に押印してサクッと進むイメージです。

ただし、台湾では「契約してから信頼が構築される」という順序に感じます。
さらに言えば、実際にお金や物のやり取りが始まってから、徐々に信頼関係が育まれていく感覚です。

つまり、「契約した=安心」ではなく、その後の実績の積み重ねが大切になります。
契約の段階で気を緩めてしまうと、その後に問題が出ることもあります。

商習慣──委託取引が主流、買い取りは要注意

卸売りでもお店経営でも、台湾では委託取引が一般的という印象があります。
在庫リスクを抱えたくないというお店が多く、その負担をメーカー側が負う構造になりやすいです。

お店を運営する側としても、台湾の不動産事情は日本とかなり異なります。
大家さんの立場が強く、契約期間が満了する前に一方的に契約を打ち切られるケースもあると聞きます。
テナントに入る際にも、さまざまな手数料やテナント料が発生することが多いため、思ったよりもコスト負担が大きくなることがあります。

「買い取りでやります」と安易に言ってしまうと、割引率が高くなる分、自分にとって不利な条件になることもあります。
こういった商習慣を知らないまま進めると、あとになって会社の経営に関わる問題が出てくる可能性があります。

まとめ

台湾ビジネスで特に注意したいのは、労務・契約・商習慣の「当たり前」が日本とは違うという点です。

  • 台湾スタッフは権利をしっかり主張する。サービス残業の感覚を持ち込まない
  • 契約はスムーズに進むが、信頼はその後の取引で育まれる
  • 委託取引が主流。買い取り・不動産条件は事前に細かく確認する

これから台湾でビジネスを始めたい方、あるいはすでに動き始めて「なんかうまくいかない」と感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。

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