台湾で銀行口座を開くまでの流れと、つまづきやすいポイント

台湾ビジネスのヒント

台湾でビジネスをはじめようとするとき、銀行口座の開設は避けて通れない壁のひとつです。「居留証があれば大丈夫」と思っていたら、そう簡単にはいかなかった——そんな経験をした方も少なくないでしょう。個人口座と法人口座、それぞれの流れと注意点をお伝えします。

個人口座の開設:居留証(ARC)が前提

個人の銀行口座を開設するには、現在はほぼ100%に近い確率で、居留証(ARC)が必要です。

ARCは、留学・就労・結婚など、長期滞在が可能なビザを取得したあとに申請できる身分証です。日本のマイナンバーカードに相当するもので、これがなければ口座開設はまず難しいと思っておいてください。

ただし、ARCを取得していてもすぐに口座を開けるとは限りません。銀行によっては取得直後の申請を断るケースもあり、厳しいところでは取得から半年以上経たないと受け付けてもらえないこともあります。

用意しておく書類は、基本的に次のとおりです。

  • ARC(居留証)
  • パスポート
  • 日本のマイナンバーカード(求められるケースがある)
  • 移民局で取得できる統一證號(求められるケースがある)

銀行によって必要書類が異なる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。

法人口座の開設:まず「仮口座」から

法人の場合、最初から会社名義の口座が作れるわけではありません。まずは「準備室(籌備處)」名義の仮口座を開設し、そこに資本金を入れるところからはじまります。

この仮口座は法人名義では作れず、代表者の個人名義で開設するという点がポイントです。つまり、ここでも個人口座と同様に、ARCの取得が前提となります。さらに「ARC取得から最低3ヶ月〜半年程度は経っていること」を条件とする銀行も多い印象です。本当に台湾に長期滞在するつもりがある人かどうかを確認している側面があると感じています。

登記がすべて完了したあとは、登記簿などを持参して本番の会社名義口座を開設する流れになります。

スムーズに進めるコツ:同じ銀行を使う

個人口座と法人口座の開設、両方に共通して言えることが一つあります。すでに個人口座を持っている銀行と同じ銀行で、仮口座・法人口座を開設するのが、もっともスムーズな方法です。

個人口座を持っているということは、その銀行でKYC(本人確認)が完了している状態です。その信頼をそのまま法人口座の開設にも活かせます。別の銀行を選んでしまうと、本人確認ゼロの状態からのスタートになり、必要書類や審査のハードルが上がる可能性があります。

注意:法人口座は「実態調査」が入ることも

信用の実績がない状態で法人口座を開設しようとすると、銀行側が登記住所に直接調査に来るケースがあります。ペーパーカンパニーでないか、実際に会社として機能しているかを確認するためです。

調査のあとは銀行内部で口座開設の可否を協議し、問題なければ必要書類の案内が届き、窓口で手続き……という流れになります。この調査と協議にかかる時間が読めないため、登記は完了しているのに口座がまだ作れないという状態が続くこともあります。

法人設立のスケジュールを立てる際は、口座開設に予想以上の時間がかかる可能性を見込んでおくことをおすすめします。

まとめ

台湾での銀行口座開設は、個人・法人ともにARCの取得が前提で、取得直後はすぐに動けないことも多いです。法人の場合はさらに仮口座から本口座へという段階があり、実態調査が入るとスケジュールが読みにくくなります。個人口座を持っている銀行で一貫して手続きを進めるのが、現時点でもっとも現実的なアプローチです。

台湾での法人設立・銀行口座開設についてお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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