言葉の壁の本当の正体は「文化」にある——海外ビジネスで語学力だけでは足りない理由

台湾ビジネスのヒント

海外進出を考えるとき、「まず英語を話せる人を雇えばいい」と思っていませんか?
実は、言葉の壁の正体は言語そのものではなく、その奥にある文化にあります。
台湾・中国でのビジネス経験から感じてきたことを、率直にお伝えします。

言語は文化の上に成り立っている

そもそも言葉というものは、その国の伝統や歴史を土台に、時代に合わせて変化してきたものです。現代の日本語も、日本古来の文化を基盤に、様々な国から入ってきた文化・習慣・物が混ざり合ってできています。

だとすれば、言葉を理解するためには、その言語を生み出した文化や背景を理解することが不可欠です。単に語彙や文法を知っているだけでは、本質的なコミュニケーションには届かないと感じています。

「ありがとう」にボディランゲージが伴う理由

わかりやすい例が、お辞儀です。

日本では「ありがとうございます」と言うとき、自然と頭を下げます。ところが英語圏で “Thank you” と言うとき、頭を下げる習慣はほとんどありません。

なぜでしょうか。頭を下げて相手から目線を切るという行為は、相手を信頼していなければできないものです。アメリカのように多民族・多文化が混在する社会では、見知らぬ相手に対して目線を切ることは危険につながりかねない。だから、そういった文化が根付きにくかったという側面があります。

一方、日本は長らく島国として、比較的均質なコミュニティの中で暮らしてきました。「村八分」という言葉が示すように、小さな集落の文化の中で生きる中で、目線を切っても大丈夫という安心感が自然と育まれた。ある意味、日本社会の安全性の証明でもあると思っています。

文化を知らずに動くと「失礼」になることがある

この文化的な違いを知らずにビジネスの場に持ち込むと、思わぬ誤解を生むことがあります。

外国人の中には、日本人のお辞儀を「ペコペコしている」と捉える人もいます。文化的背景への理解がなければ、「ただただ頭を下げるのが得意な人たち」という、少し卑下した見方をされてしまうこともあるかもしれません。

しかし、その歴史的・文化的な背景まで理解した上で見れば、むしろリスペクトに値する習慣だとも言えます。逆もしかりで、相手国の習慣も同じように文脈から理解しようとする姿勢が大切です。

台湾においては日本文化がある程度浸透しているため、お辞儀をしても「日本人らしい」と受け取られることが多いです。ただし、中国でも頭を下げる文化はあるものの、使われ方や場面が日本とは少し異なります。こうした細かな違いを把握せずに動くと、意図せず失礼な印象を与えてしまうことがあります。

英語1つで世界を渡れるわけではない

今や英語は世界の公用語とも言える位置づけで、「英語さえできれば海外でビジネスができる」と考えがちです。でも、それは少し違うと感じています。

例えば、日本語の「お疲れ様です」や「よろしくお願いします」は、他の言語に正確に翻訳することが非常に難しい言葉です。これらは単なる挨拶ではなく、日本の労働観や人間関係の文化がぎゅっと詰まった表現だからです。

こういった言葉の背景にある文化を理解せずに、表面的な言語変換だけで対応しようとすると、どこかでズレが生じます。特に海外でパートナー企業を探したり、商談を進めたりする場面では、相手の文化・習慣・ものの考え方をしっかり把握することが、語学力と同じかそれ以上に重要です。

まとめ

言葉の壁の本質は、言語そのものではなく文化にあります。言語はあくまでその文化を運ぶ「乗り物」にすぎません。

海外でビジネスを成立させるには、相手国の言葉・文化・習慣を総合的に理解し、その壁を越えようとする姿勢が欠かせないと考えています。

台湾や海外でのビジネスで「文化の壁」を感じている方は、ぜひ台Bizパートナーにご相談ください。

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