台湾ビジネスは「人が辞める前提」で動いている——日本との人材流動性の違い

台湾ビジネスのヒント

台湾で会社を立ち上げたい、あるいは現地スタッフと仕事をしたいと考えている方に知っておいてほしい話があります。日本と台湾では、「人が辞めること」に対する感覚がまったく異なります。この違いを知らないまま台湾でビジネスを始めると、思わぬところで足をすくわれることがあります。

台湾では「入社当日に辞める」ことも珍しくない

日本では、入社してから最低でも数ヶ月、できれば数年は勤めないと転職時の印象が悪くなるという感覚が根付いています。そのため、多少合わなくてもしばらくは我慢して続けるという人が多い印象です。

台湾はそのあたりがかなり違います。私が知っている中で最も早いケースは、入社日の当日の朝に来て「他の会社の内定が決まったので、そちらに行きます」と挨拶して帰っていった人です。最短だと3日ほどで「合わないので辞めます」というケースもありました。

人が急に抜けると、引き継ぎが残らないことがある

3日程度であれば、まだ仕事を覚える前なので影響は限られます。問題になるのは、1〜2ヶ月ほど働いてある程度仕事を任せはじめた段階で、急に辞めるとなったときです。

引き継ぎをきちんとしてくれれば把握できますが、揉めた末に即日来なくなるというケースも起こりえます。

さらに厄介なのが連絡ツールの問題です。台湾では業務のやりとりに個人のLINEを使うことが多く、担当者がいなくなると過去のやりとりが追えなくなります。グループLINEを作るなどの対策をとることもありますが、個人間のやりとりや電話での会話は記録として残りにくいのが現状です。

台湾企業はすでに「人が辞める前提」で動いている

こうした環境に、台湾の企業はある意味慣れているように見えます。特に飲食店などでは、小さな店舗に対して「多すぎないか?」と思うくらいのスタッフを抱えているケースがあります。これはおそらく、急に1〜2人辞めても回るようにするためのリスクヘッジだと思っています。

日本のような「長く在籍することが前提」という設計ではなく、人が抜けても業務が止まらない体制をあらかじめ作っているわけです。

担当者交代のインパクトも、日本とは違う

日本では長年の担当者が異動になると、積み上げてきた関係がゼロに戻ってしまうという話をよく聞きます。人への依存度が高い分、担当者交代のダメージが大きいのかもしれません。

台湾でも人が変われば関係の積み上げはリセットされます。ただ、台湾は距離感が縮まるのが比較的早い印象があります。担当者が変わったからといって、日本ほど大きなダメージにはなりにくいと感じています。商談の場でも、相手のタイプによってやりづらさはあるかもしれませんが、人が変わったことを必要以上に深刻に受け取らなくてよいケースが多そうです。

まとめ

台湾でビジネスをする上では、「人は辞める前提」で仕組みを作ることが重要です。記録の残し方、業務の属人化をどう防ぐか——こうした体制を最初から設計しておくことで、突然の離職にも慌てずに済みます。

台湾でのビジネスや現地スタッフとの関わり方でお悩みの方は、台Bizパートナーまでお気軽にご相談ください。

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