今回は、私が今「マイクロ法人」というスタイルを選んでいる理由を、正直にお話ししようと思います。
ちょっと恥ずかしい話もありますが、これから台湾で会社を作ろうとしている方には、きっと参考になると思います。
社員は、私ひとり。必要なときは外注スタイル

当社は「マイクロ法人」、つまり代表である私ひとりが実務を回している会社です。
必要なときにはフリーランスの方に外注し、プロジェクトごとにチームを組む形をとっています。
「なんだか頼りなさそう」と思われるかもしれませんが…
この形に落ち着いたのには、それなりの理由があります。
台湾で人を雇うことの大変さ、身をもって知りました

私は以前、人事担当として台湾現地での採用・教育・ケアなどに携わっていました。
また、クライアント企業の代わりに一次面接やスタッフ採用のサポートもしてきました。
その中で強烈に感じたのが、
「人が定着しない」
というリアルです。
面接をしても、辞めていくスピードが想像以上

実際にあった話ですが、
- 入社初日に「他の会社に決めたのでやっぱり辞めます」と言って帰った人
- 入社3日で突然出勤しなくなった人
- 上司と衝突してケンカ別れした人
など、7割近くの人が1年以内に退職するという状況を何度も経験しました。
そのたびに「またか…」と思うと同時に、自分の見る目のなさに落ち込む日々。
残ってくれる人も、思ったほど動いてくれない

じゃあ辞めなかった人がバリバリ働いてくれるかというと、そうでもありませんでした。
- クオリティが低い
- 想定の倍以上の時間がかかる
- 指示されたことだけで、自発的に動かない
…など、「この人なら大丈夫」と思っていた期待を、良くも悪くも裏切られることが多かったです。
でもこれは、台湾の人材の問題ではありません。
日本的な「給料以上の成果を求める」感覚が、そもそもズレていたんだと思います。
「沒辦法(できません)」の壁

台湾で仕事をしていると、よく耳にするこの言葉。
「沒辦法(メイバンファ)」=できません
なにか相談や提案をすると、反射的に「できません」と言われることがよくあります。
でも、よくよく説明してみると実はできる。
この“できない前提で話す文化”にも、正直何度もストレスを感じてきました。
一人でやった方が早い。フリーランスとの協業が、ちょうどいい距離感

こういった経験の積み重ねから、私は決めました。
「人は雇わなくていい。一人でやろう」
自分でやった方が早くて確実。
人に期待してストレスを溜めるくらいなら、いっそ自分で全部やる方が気持ちがラクです。
幸いなことに、最近は優秀なフリーランスの方も増えています。
意欲も高く、仕事に対する責任感もある方が多いです(もちろん例外もありますが…)。
一度頼んで「この人いいな」と思えば、継続的に仕事をお願いできますし、
社員に比べて契約の自由度が高いぶん、プロジェクトごとに柔軟なチーム作りができます。
小さな会社同士がつながって、成果を出せる時代に

実際、台湾では小規模企業やフリーランス同士がチームを組んでプロジェクトを回す文化が根付きつつあります。
- デザイナー×エンジニア×コンサルタント
- 通訳×ローカル営業担当×SNS運用者
など、”社員じゃないけど一緒に動く仲間”という形が、とても心地よく感じています。
もちろん、台湾で会社を作るなら現地スタッフと一緒に働きたい!という方もいるでしょうし、
それがうまくいく業種・ビジネスモデルもたくさんあります。
ただ私のように、
- 人を雇うことに疲れた
- ストレスを減らして効率よく働きたい
- 小さくても柔軟に動ける組織を作りたい
という方にとっては、マイクロ法人という選択は十分アリだと思っています。
台湾で起業を考えているけど、組織の作り方に悩んでいる…
スタッフの採用が不安…
そんな方は、まず一度お気軽にご相談ください。
私の失敗談が、きっと誰かの参考になれば嬉しいです。

