こんにちは、
台湾ビジネスに興味がある方とお話していると、こんな声をよく聞きます。
「台湾って親日だし、ビジネスもやりやすそうですよね」
「でも、実際は撤退する企業が多いって聞いて、ちょっと不安で…」
たしかにこれまで私が見てきた限りでも、台湾に進出した企業の多くが1〜3年以内、長くても5年以内に撤退するというケースは少なくありません。
では、台湾でのビジネスは本当に難しいのでしょうか?
実は“続いている企業”もたくさんある
まず最初にお伝えしたいのは、台湾でビジネスが続いている企業も普通にあるということです。
むしろ10年、20年と安定してビジネスを続けている会社や、個人経営で地元に根ざしているお店もたくさんあります。
では、何が違うのでしょうか?
キーワードは「ローカライズ」

私なりの結論としては、ローカライズができているかどうかだと思っています。
台湾はたしかに親日的で、日本の商品や文化に対する関心も高い。
でも、それはあくまで「親しみがある」というだけであって、日本と同じようにビジネスが通用するとは限りません。
日本でうまくいっているビジネスモデルを、そのまま台湾に持ってくると高確率でつまずきます。
取引方法ひとつ取っても、文化はこんなに違う

実際に私がサポートしたあるクライアントの例を紹介します。
日本のメーカーさんで、BtoBをメインに展開していました。
台湾でも同じように卸先を開拓したいという思いで進出したのですが、台湾で待っていたのは「委託販売しか受けない」という取引先ばかり。
日本ではある程度売れるという信頼がある顧客のみ委託販売を許可していましたが、台湾ではリスクを回避するため、在庫を持ちたがらない店舗がほとんど。
在庫は全部メーカー側が抱える、というのが基本スタンスだったことがわかりました。
売れるか分からないから、返品も当然?

さらに厄介なのが、「売れなかったら返す」が当たり前な点。
たとえば、10店舗に在庫を送ってほしいと大手に言われ、数ヶ月後に6店舗から返品。
しかも、その店舗専用のシールやバーコードが貼られていて再販売できない。
- 倉庫スペースを圧迫
- パッケージの貼り替えコストが発生
- 商品の回転が悪くなる
という、負の連鎖に陥ってしまうわけです。
「台湾で成功するために必要なこと」とは?

ではどうすれば良いのか?
私はクライアントに対し、方向転換してBtoCのEC販売に注力するよう提案をしました。
つまり、日本と同じやり方ではなく、台湾市場に合わせて戦略を変えたんです。
具体的には、現地での有名プラットフォームでのアカウント開設や自社ECの設立を行いました。
クライアントの移行もありBtoBは継続しながら、BtoCの割合も増やしていくという感じです。
もしBtoCでの売上が伸びてくれば、
- 在庫リスクが少ない
- 利益率も高い
- 消費者からのフィードバックも得られる
といった状態になりますし、委託販売のお店が取引を中止した場合のリスクヘッジにもなります。
日本の成功体験に縛られると危ない

「日本ではこれでうまくいってるから」
「これは日本クオリティだから受け入れられるはず」
こう思ってしまう気持ちはよく分かります。でもその思い込みこそが、現地に適応できない原因になってしまうこともあるんです。
大手企業でさえもローカライズがうまくできずに撤退してしまっている事実を受け止めましょう。
まとめ:台湾で“続く”ために必要なのは、現地に合わせる柔軟さ
台湾ビジネスは、たしかに簡単ではありません。
でも、それは“難しい市場”というより、文化を理解せずに進出するから難しくなるという側面が強いと私は感じています。
- 現地の商習慣を知る
- 消費者の価値観を観察する
- ビジネスモデルを現地向けに調整する
この3つができれば、台湾でも長く続けられるビジネスは十分に可能です。
「うちのビジネス、このまま台湾に持ってきて大丈夫?」
「現地とどう取引を進めたらいいの?」
そんな悩みがあれば、まずはお気軽にご相談ください。
一緒に“台湾で続くビジネス”を考えていきましょう。

